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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 7章 動脈硬化関連遺伝子―どこまで解明されたか

2. 糖尿病関連遺伝子

著者: 鈴木進1

所属機関: 1東北大学大学院医学研究科分子代謝病態学分野糖尿病代謝科

ページ範囲:P.1467 - P.1473

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はじめに

 糖尿病はインスリン作用不足により惹起される慢性の高血糖を主徴とする代謝疾患群である.その成因により,1型,2型,その他の特定の機序,疾患によるもの,および妊娠糖尿病に分類されている(表1)1).近年,単一遺伝子変異が原因の糖尿病が数多く同定されてきた.

 1型糖尿病,および2型糖尿病は環境因子と遺伝因子が複雑に関連した多因子疾患である.近年,多因子疾患に適用可能な罹患同胞対を対象とした全ゲノムマッピング法が開発され,1型糖尿病や2型糖尿病と連鎖する座位の同定が試みられている.さらに今日100万個以上のSNP(single nucleotide polymorphism)が同定され,SNPによる全ゲノム相関解析も可能となった.現在,1型糖尿病,2型糖尿病の原因遺伝子に関する全ゲノムマッピングやSNPによる全ゲノム相関解析が進行しており,今後糖尿病原因遺伝子の解明が進むことが期待されている.

 本稿では単一遺伝子変異による糖尿病を紹介するとともに,1型糖尿病および2型糖尿病のゲノム医学研究の新知見を概説したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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