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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻13号

2004年12月発行

文献概要

今月の主題 脳機能 話題

非侵襲的脳機能評価としての画像診断と小児の神経学

著者: 飯沼一宇1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科 小児病態学

ページ範囲:P.1655 - P.1658

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1. はじめに

 20世紀後半になり,CTの開発をきっかけとするかのようにコンピューターが医療の世界に応用され診断技術を格段に進歩させ,今では不可欠の手法となっている.最近は脳の形態を描写するにとどまらず,機能を可視化する技術が開発され,機能的画像診断と呼ばれている.特に中枢神経に関しては,単に画像を用いて診断するというよりは,疾患の病態解明や神経興奮伝達の様相などの把握という意味をもつので,神経(脳)機能検査と呼ぶほうがふさわしいだろう.

 脳機能検査を仮に世代を追ってみると,第1世代:電気活動の増幅である脳波,第2世代:加算平均法を応用した各種誘発電位,第3世代:画像再構築を用いたCTおよびMRI,第4世代:画像に機能を加味したPET,SPECTおよびfMRI,電流によって生じた磁気信号を検出するMEG,物質の組織(細胞)の性質と代謝を信号化したMRSやDTI,第5世代:三次元構造表示に時間軸を加味した光トポグラフィ(四次元表示)ということになろう.

 本稿では,われわれの大学および関連施設で行っている非侵襲的脳機能検査を紹介し,今後の展望を述べる.第1~3世代についてはすでに日常化した手法であり最新の知見に乏しいので,第4世代から記述する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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