文献概要
〔SUMMARY〕 von Willebrand因子切断酵素,別名ADAMTS-13は,肝臓の類洞壁細胞で産生されるメタロプロテアーゼで,その遺伝子構造が決定され,定型的な血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)では同酵素活性が著減し,これらの症例のほとんどではこの酵素活性を中和する自己抗体(インヒビター)が存在することが示された.しかしTTPと溶血性尿毒症症候群(HUS)とを臨床症状でふるい分けし,その後ADAMTS-13を測定すると,同酵素活性が軽度低下ないしほぼ正常で同インヒビター陰性の非定型TTPとHUSはともに鑑別不可能という理解がなされるようになった.すなわち,ADAMTS-13インヒビターの同定は定型的TTPに対する血漿交換療法ならびに免疫抑制療法の適応,効果,予後判定に重要な指標であるという概念が確立された.〔臨床検査 48:289-295,2004〕
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