文献詳細
今月の主題 アルブミン
話題
文献概要
1.はじめに
アルブミンは血漿中に最も多量に存在する蛋白質である.早くから治療を目的とする製剤化の研究がなされたこともあり,ほとんどのメーカーが大規模精製法として60年程前に確立されたエタノール分画法を採用している.小規模精製には,硫安分画法やイオン交換クロマトグラフィー法などが用いられている.
検査試薬に使うアルブミンとしては,ヒトアルブミン(HSA)の外に各種動物由来のものがある.その中ではウシアルブミン(BSA)が最も多く使われている.しかし,国や学会の定めた品質規格がないため,医薬品に比べ,大きなメーカー差やロット差が認められている.
アルブミンの酸化,糖化,薬物運搬体としての性状などについては,他の報告を参照していただくとして,本報では,アルブミンの安定性や非特異反応の原因を中心に,HSAやBSAを試薬として使う際の留意点についてまとめた.これらも踏まえて,尿中微量アルブミン測定用の標品を作製したので,その調製方法と物性を報告する.また,希釈誤差や吸着ロスなどの,取り扱い上の問題点についても考察した.
アルブミンは血漿中に最も多量に存在する蛋白質である.早くから治療を目的とする製剤化の研究がなされたこともあり,ほとんどのメーカーが大規模精製法として60年程前に確立されたエタノール分画法を採用している.小規模精製には,硫安分画法やイオン交換クロマトグラフィー法などが用いられている.
検査試薬に使うアルブミンとしては,ヒトアルブミン(HSA)の外に各種動物由来のものがある.その中ではウシアルブミン(BSA)が最も多く使われている.しかし,国や学会の定めた品質規格がないため,医薬品に比べ,大きなメーカー差やロット差が認められている.
アルブミンの酸化,糖化,薬物運搬体としての性状などについては,他の報告を参照していただくとして,本報では,アルブミンの安定性や非特異反応の原因を中心に,HSAやBSAを試薬として使う際の留意点についてまとめた.これらも踏まえて,尿中微量アルブミン測定用の標品を作製したので,その調製方法と物性を報告する.また,希釈誤差や吸着ロスなどの,取り扱い上の問題点についても考察した.
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