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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻5号

2004年05月発行

文献概要

今月の主題 アルブミン 話題

アルブミンのロット差と微量アルブミン標品の作製

著者: 上村八尋1

所属機関: 1前国際試薬㈱

ページ範囲:P.557 - P.561

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 1.はじめに

 アルブミンは血漿中に最も多量に存在する蛋白質である.早くから治療を目的とする製剤化の研究がなされたこともあり,ほとんどのメーカーが大規模精製法として60年程前に確立されたエタノール分画法を採用している.小規模精製には,硫安分画法やイオン交換クロマトグラフィー法などが用いられている.

 検査試薬に使うアルブミンとしては,ヒトアルブミン(HSA)の外に各種動物由来のものがある.その中ではウシアルブミン(BSA)が最も多く使われている.しかし,国や学会の定めた品質規格がないため,医薬品に比べ,大きなメーカー差やロット差が認められている.

 アルブミンの酸化,糖化,薬物運搬体としての性状などについては,他の報告を参照していただくとして,本報では,アルブミンの安定性や非特異反応の原因を中心に,HSAやBSAを試薬として使う際の留意点についてまとめた.これらも踏まえて,尿中微量アルブミン測定用の標品を作製したので,その調製方法と物性を報告する.また,希釈誤差や吸着ロスなどの,取り扱い上の問題点についても考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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