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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻5号

2004年05月発行

文献概要

研究

LPS刺激によるTNF-α産生能の新しい簡便測定法

著者: 小林幸司1 稲垣孝司1 阿部佳子1 栗山澄1 西村典子2 小宮山豊2 高橋伯夫2

所属機関: 1積水化学工業株式会社メディカル研究所 2関西医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.593 - P.597

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〔SUMMARY〕 Toll様レセプターを介した自然免疫系の機能を簡便,迅速に評価する手法として,LPS刺激による全血でのTNF-α産生能の新しい測定法を考案し,その測定条件と性能について検討した.

 本法は,採血からTNF-α産生反応までの操作をほぼ閉鎖系で処理できるため,簡便・迅速でエンドトキシン汚染の恐れが少ない方法である.

 TNF-α産生反応の最適培養条件は,LPS濃度が100EU/mlで,培養時間が4時間であった.従来の分離単核球や希釈全血を用いる方法よりも約1/1,000量のより生理的なLPS濃度での反応であり,培養時間も24時間から大幅に短縮できた.

 本法の同時再現性の変動係数は約3%であり,健常者31例の個体間差の変動係数は,約30%と良好な性能であった.

 以上,本法は自然免疫系の機能を研究するための新しいツールとして役に立つことが期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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