文献詳細
文献概要
コーヒーブレイク
甘草の縁
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学
ページ範囲:P.562 - P.562
文献購入ページに移動この甘草は私にとっても医者になりたての頃から大きなかかわりがあった.1953年に偶然信州から来院した1人の女性患者(Oさん)がそのきっかけとなった.国内で尿中17-KS測定が私を含めた数か所で始められた頃である.最新の検査と症状からアジソン病と診断されたが,ステロイド薬などみたこともない頃で死に至る病とされていた.いろいろ治療に悩んで文献を漁った末に1950年のランセット誌に胃腸薬として用いられてきた漢方の甘草が長い間に頭痛や浮腫を来たしたという報告がオランダの医師から報告されているのに出合った.
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