文献詳細
今月の主題 栄養管理のパラメーター
各論 2. 生化学的パラメーター
4)脂質代謝
桜井 洋一1 増井 利彦1 浦 めぐみ2 西田 卓明3 野田 潤子2 吉田 郁男1 庄司 光孝1 中村 康子1 宇山 一朗1 小森 義之1 落合 正宏1
1藤田保健衛生大学医学部上部消化管外科 2藤田保健衛生大学病院看護部公衆衛生看護科 3藤田保健衛生大学病院食養部
pp.995-1001
文献概要
〔SUMMARY〕 栄養指標としての脂質パラメーターについて解説する.一般に血清脂質パラメーターのうち血清コレステロール値,血清トリグリセリド値は栄養不良で低下し,栄養状態を反映するパラメーターとなる.しかし高脂血症,糖尿病などによる脳血管障害,嚥下障害などの栄養不良をきたす病態に伴って増加していることもあるので病態自体による影響も考慮に入れる必要がある.飢餓,運動負荷や重傷病態などの脂肪分解の増加する病態下では,脂肪分解の亢進に伴いグリセロール,遊離脂肪酸などが著明に増加しエネルギー基質として利用される.血清中性脂肪値は重症感染症,敗血症などでは増加する.栄養投与の際にはTG高値は過剰栄養の指標となる.〔臨床検査 48:995-1001,2004〕
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