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文献概要
シリーズ最新医学講座・Ⅱ 病理診断に役立つ分子病理学・9
軟部腫瘍
著者: 元井亨1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院病理部
ページ範囲:P.1059 - P.1065
文献購入ページに移動はじめに
軟部組織とは,体の運動,支持にかかわる組織の総称であり,骨や実質臓器を除外した部分を指す.ここから発生した腫瘍を軟部腫瘍と称している.軟部腫瘍には,良性腫瘍,反応性病変から悪性腫瘍まで,様々なものが含まれている.このうち間葉系細胞由来の悪性腫瘍は特に肉腫と称され,癌と比べて若年に発生し,悪性度の高いものが多く含まれている.肉腫の病理組織診断は病理診断医にとって難易度が高く,診断に難渋する領域の1つである.一方,近年の肉腫の細胞遺伝学的知見は進歩は目覚しく,これらの異常の検出が病理診断の補助診断法として応用され始めている.本稿では,その現状と将来の展望について解説する.
軟部組織とは,体の運動,支持にかかわる組織の総称であり,骨や実質臓器を除外した部分を指す.ここから発生した腫瘍を軟部腫瘍と称している.軟部腫瘍には,良性腫瘍,反応性病変から悪性腫瘍まで,様々なものが含まれている.このうち間葉系細胞由来の悪性腫瘍は特に肉腫と称され,癌と比べて若年に発生し,悪性度の高いものが多く含まれている.肉腫の病理組織診断は病理診断医にとって難易度が高く,診断に難渋する領域の1つである.一方,近年の肉腫の細胞遺伝学的知見は進歩は目覚しく,これらの異常の検出が病理診断の補助診断法として応用され始めている.本稿では,その現状と将来の展望について解説する.
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