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文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻12号

2005年11月発行

文献概要

特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩 1章 臨床検査の技術的評価の考え方と統計処理法

3. 枝分かれ分散分析による変動成分解析

著者: 山田輝雄1 岩崎学2 加野象次郎1

所属機関: 1東京逓信病院臨床検査科 2成蹊大学理工学部情報科学科(統計学)

ページ範囲:P.1293 - P.1296

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はじめに

 実験精度を統計的方法で評価する場合,実験の反復(replication)が重要なことは,実験計画法の創始者R.A. Fisherの3原則の中で述べられている(図1)1).さらに,処理(treatment)の中に含まれる系統的変動を偶然変動に転化するための無作為化(randomization)も必須の条件となる.反復と全実験の無作為化を満足する実験配置を完全無作為化法(completely randomized design)と言うが,多数処理の反復実験を完全無作為化することは,現実的には極めて困難なことが多い.このような場合には無作為化をいくつかの段階に分けて行う分割実験(split-plot design)が利用される.

 分割実験のうち,対応のない変量因子を2つ以上取り上げ,実験順序を木の枝分かれのような形状で決める配置を枝分かれ実験(nested design)と言う1~3).枝分かれ実験の分散分析(analysis of variance;ANOVA)は,計測界における「不確かさ」の概念4)が臨床検査領域を含め5,6),広く一般化されつつある中で,統計的不確かさ(Aタイプ)の推定法の1つとして,最近注目されるようになってきている.

参考文献

1) 奥野忠一,芳賀俊郎:実験計画法.培風館,pp131-140,1986
2) 山田秀:実験計画法―方法編―.日科技連出版社,pp179-184,2004
3) 谷津進:すぐに役立つ実験の計画と解析(応用編).日本規格協会,pp141-144,2001
4) 飯塚幸三(監修):計測における不確かさの表現ガイド.日本規格協会,pp19-31,1996
5) 日本臨床化学会クオリティマネージメント専門委員会:キャリブレータおよびQA用試料の不確かさ評価方法(Ver.1.4).臨床化学 32:186-199,2003
6) 細萱茂実,尾崎由基男,桑克彦,他:キャリブレータ・管理物質及び日常検査法による測定値の不確かさの求め方.臨床化学 33:149b-153b,2004
7) 岩崎学:統計的データ解析のレシピ.日本評論社,pp213-221,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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