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文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻12号

2005年11月発行

文献概要

特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩 1章 臨床検査の技術的評価の考え方と統計処理法

5. 検出限界と定量限界の設定法

著者: 細萱茂実1 市原清志2

所属機関: 1山梨大学医学部附属病院検査部 2山口大学医学部保健学科

ページ範囲:P.1307 - P.1313

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はじめに

 内分泌機能検査,腫瘍マーカー,急性相反応蛋白などは分析法の最少検出能力が臨床的にも重要な意味を持つ.しかし,微量濃度域に関する分析性能の評価方法は必ずしも標準化された状況下にあるとは言い難く,現場では少なからぬ混乱がある.一方,国際標準化機構(ISO)は,測定方法の検出能力に関する国際規格(ISO 11843)を定めており1~4),日本工業規格(JIS)にもそれに準じた規格(JIS Z8462)が規定されている5~7).それらは広く一般的な化学分析を対象とした内容であり,臨床検査の領域にそのまま適用するには若干の問題がある.そこで,日本臨床化学会(JSCC)のクオリティマネジメント専門委員会では,ISO規格やNCCLS(米国臨床検査標準協議会,現在の名称はClinical and Laboratory Standards Institute, CLSIと変更されている)の検出限界・定量限界評価法(EP17-P)8)を基本として,臨床検査用の新たな指針設定を進めている9).これら定量分析法の検出限界・定量限界設定法に関する国際・国内規格の概要について整理し解説する.

参考文献

1) ISO 11843-1:Capability of detection-Part 1:Terms and definitions. Geneva, 1997
2) ISO 11843-2:Capability of detection-Part 2:Methodology in the linear calibration case. Geneva, 2000
3) ISO/DIS 11843-3:Capability of detection-Part 3:Methodology for determination of the critical value for the response variable when no calibration data are used. Geneva, 2003
4) ISO 11843-4:Capability of detection-Part 4. Methodology for comparing the minimum detectable value with a given value. Geneva, 2003
5) JIS Z 8462-1:測定方法の検出能力-第1部:用語及び定義,2001
6) JIS Z 8462-2:測定方法の検出能力-第2部:検量線が直線である場合の方法,2003
7) ISO 11843-3:測定方法の検出能力-第3部:検量線を用いずに応答変数の限界値を求める方法(英和対訳版),2004
8) NCCLS Document EP17-P:Protocols for determination of limits of detection and limits of quantitation:Proposed guideline, 2004
9) 市原清志:検出限界と定量限界の定義および設定・評価法.臨床化学 33(Supp.2):33b-34b, 2004
10) 日本薬局方解説書編集委員会:(F.参考情報)分析法バリデーション.第十四改正 日本薬局方解説書,pp114-131,2001
11) 尾関 徹:検出限界と定量限界.ぶんせき2001 2:56-61,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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