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文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻12号

2005年11月発行

文献概要

特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩 2章 臨床検査の診断的有用性の評価法とEBLM

3. 多重ロジスティック分析による診断的有用性の評価法

著者: 市原清志1

所属機関: 1山口大学医学部保健学科病態検査学

ページ範囲:P.1341 - P.1353

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臨床検査の診断的有用性の評価と患者対照型研究

 1. 患者対照型研究

 臨床検査の究極の目的は,その測定値から特定の病態の有無を診断することにある.したがって,検査の臨床的有用性を評価するには,その診断能を評価する必要がある.このためには,検査で診断しようとする病態を有する個体群(疾患群)を明確な規準で選別し,同時に,その病態を疑ったが,そうではなかった個体群(非疾患群注1))を集めて,2群がどの程度的確に分別できるかを調査する必要がある.この種の調査研究のデザインを広義に患者対照型研究注2)と呼ぶ.

 注1) 実際に検査が利用される状況が,検診など健常者を対象として広く行う場合には,健常群を非疾患群とすることができる.一方,検査の適用が病気を疑った対象に限定される場合には,検査を行ったが,その病態を否定された群を非疾患群とし,現実に見合った検査の診断能を求めることが要求される.

参考文献

1) Kleinbaum DG, Kupper LL, Muller KE, et al:Applied Regression Analysis and Other Multivariable Methods 3rd Ed., Duxbury Press, Pacific Grove, 1998
2) Kleinbaum DG:Logistic Regression:A Self-Learning Text. Springer-Verlag, New York, 1998
3) 市原清志:臨床検査情報の分析に必要な統計的手法―有意差検定の問題点,多変量要因分析を中心に.臨床病理(特) 113:13-25, 2000
4) 市原清志:StatFlex Ver.5.0活用マニュアル.アーテック,345-370, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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