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文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻12号

2005年11月発行

文献概要

特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩 3章 臨床検査情報の収集と管理法

1. 臨床検査情報システムのためのデータベース構築法

著者: 片岡浩巳1

所属機関: 1高知大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1377 - P.1382

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はじめに

 データベースは交通機関の予約システムやクレジットカードによる支払いシステムなどのように生活のあらゆる場面で利用されている.臨床検査領域でも自動分析装置をはじめ病院情報システムなどで利用され,必要不可欠な基幹システムとなっている.一般ユーザからみたデータベースは,システムのアプリケーションに組み込まれた特定の機能しか利用することができないが,その舞台裏では様々なデータベースの解析が行われ意思決定などの情報源として利用されている.例えば,コンビニエンスストアなどでは,全国のチェーン店の売り上げデータを収集し,大規模なデータベースを構築している.このデータベースを解析することにより,人気商品は何か,地域性は何か,季節性など,それぞれの関連性について集計処理し,経営の効率化や顧客のニーズを的確に捉えている.臨床検査情報システムでも同じようにデータベースの解析を行って臨床にエビデンスを積極的に提示すべきであるが,データベースが持つ多角的な検索機能を利用している施設は皆無に近い.これは業務用データベースが多角的な検索に耐える設計が行われていないことに加え,危険防止のためにユーザのアクセス権限を制限している実情のためである.もう1つの問題は,データベースへの問い合わせ言語に精通した技術者が職員に存在しないことも大きな要因と考えられる.

 本稿では,このような背景からデータベースの基本的な仕組みの理解を目標に,臨床検査情報システムの検査結果を焦点にしたデータベースの設計法について解説する.

参考文献

1) 北川博之:情報系教科書シリーズ第14巻,データベースシステム.昭晃堂,1996
2) 三好康之,他:情報処理教科書・データベース「テクニカルエンジニア」.翔泳社,2005
3) Codd EF 1972. Further normalization of the data base relational model. In Data Base Systems, Courant Computer Science Symposia Series 6. Prentice Hall.
4) 片岡浩巳:臨床検査技師のための実践医療データベース論・第8章 検査データベースの構築.検査と技術 33:769-774, 2005
5) http://www.microsoft.com/japan/sql/msde/
6) http://www.postgresql.org/
7) http://www.mysql.com/
8) 片岡浩巳:臨床検査技師のための実践データベース論・第4章 データベース演習環境の構築クライアント編・2 問い合わせ環境.検査と技術 33:373-379, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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