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特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩 3章 臨床検査情報の収集と管理法
2. 臨床検査情報活用に必要なSQL文の使い方
著者: 片岡浩巳1
所属機関: 1高知大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.1383 - P.1389
文献購入ページに移動はじめに
関係データベースは1970年にEdger, F. Codd博士によって考案された理論1)で,今,最も多くの分野で利用されている.この関係データベースは関係代数(relational algebra)と関係論理(relational logic)を基礎理論2,3)としており,21世紀になった現在でも揺るぎのない革新技術とされている.情報技術は目覚ましい発展を遂げているが,少なくとも今世紀中は主力として利用される技術であると考えられている.また,正しく設計されたデータベースを利用すると,論理的な質問であれば,どのような複雑な質問であっても解くことができる.データベースに対して質問を行うための言語としてSQL(Structured Query Language)4~6)がある.このSQLを自由に使いこなしてデータベースを探索する技術を習得すれば,複雑な件数集計や病態解析までも短時間に処理して結果を得ることが可能である.
本稿では関係データベースの基礎理論である関係代数とSQLを対応させながら解説し,臨床検査情報システムを使った実践的な問い合わせの事例を示し,この分野の習得の重要性について述べる.
関係データベースは1970年にEdger, F. Codd博士によって考案された理論1)で,今,最も多くの分野で利用されている.この関係データベースは関係代数(relational algebra)と関係論理(relational logic)を基礎理論2,3)としており,21世紀になった現在でも揺るぎのない革新技術とされている.情報技術は目覚ましい発展を遂げているが,少なくとも今世紀中は主力として利用される技術であると考えられている.また,正しく設計されたデータベースを利用すると,論理的な質問であれば,どのような複雑な質問であっても解くことができる.データベースに対して質問を行うための言語としてSQL(Structured Query Language)4~6)がある.このSQLを自由に使いこなしてデータベースを探索する技術を習得すれば,複雑な件数集計や病態解析までも短時間に処理して結果を得ることが可能である.
本稿では関係データベースの基礎理論である関係代数とSQLを対応させながら解説し,臨床検査情報システムを使った実践的な問い合わせの事例を示し,この分野の習得の重要性について述べる.
参考文献
1) Codd EF:Further normalization of the data base relational model. In Data Base Systems, Courant Computer Science Symposia Series 6. Prentice Hall, 1972
2) 北川博之:情報系教科書シリーズ第14巻,データベースシステム,昭晃堂,1996
3) 三好康之,他:情報処理教科書・データベース「テクニカルエンジニア」,翔泳社,2005
4) 国吉直樹,他:SQL逆引き大全333の極意.秀和システム,2002
5) 原 潔:標準SQLプログラミング.株式会社カットシステム,1997
6) 朝井淳:すぐわかるSQL.技術評論社,2001
7) 片岡浩巳:臨床検査技師のための実践データベース論.検査と技術 33:76-81,161-166,287-292,373-379,465-469,553-557,659-663,769-774,847-851,939-943,1421-1426,2005
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