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特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩 4章 臨床検査情報の収集とデータマイニング 3. データマイニングの事例
2)出現実績ゾーン法
著者: 千葉正志1
所属機関: 1東京都立墨東病院検査科
ページ範囲:P.1459 - P.1464
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臨床検査で活用されている精度管理は検査結果の品質を保証する管理手法である.その方法としては管理物質を用いる方法が主流であり,その測定結果を確認した後に患者試料を測定する方法が多く用いられている.少なくとも,この方法で多くの系統的誤差は解消されてきた.このほかに個別結果検証法として検体取り違いなどの間違い防止などに有効とされている異常値チェック,特定項目による相関チェック,過去の結果と比較するデルタ・チェックなどがある.今回は,この個別結果検証法の1つである出現実績ゾーン法1,2)を紹介する.
臨床検査で活用されている精度管理は検査結果の品質を保証する管理手法である.その方法としては管理物質を用いる方法が主流であり,その測定結果を確認した後に患者試料を測定する方法が多く用いられている.少なくとも,この方法で多くの系統的誤差は解消されてきた.このほかに個別結果検証法として検体取り違いなどの間違い防止などに有効とされている異常値チェック,特定項目による相関チェック,過去の結果と比較するデルタ・チェックなどがある.今回は,この個別結果検証法の1つである出現実績ゾーン法1,2)を紹介する.
参考文献
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2) 千葉正志,中澤幸明,堀本光:ゾーン法を用いた検査結果検証法とその有用性.日本臨床検査自動化学会誌 22:151-156,1997
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