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文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻12号

2005年11月発行

文献概要

特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩 4章 臨床検査情報の収集とデータマイニング 3. データマイニングの事例

6)フラクタル次元解析

著者: 丹羽欣正1

所属機関: 1奈良県立医科大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.1495 - P.1500

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フラクタル次元とは

 フラクタルとは特徴的な長さを持たないような図形,構造,現象などの総称で,自己相似性(ある物体をどんなに細かく分割してみても,元の形と同じものが現れる)の性質を持つ.フラクタルの性質を持つものは複雑な地形など自然界にも多数存在するが,特に生物学的複雑さに,より多く認められることが知られている.このフラクタル図形を定量的に表す尺度がフラクタル次元である.

 フラクタル次元は一次元である“線”から二次元である“平面”に至る曲線(パターン)の複雑さを数値的に表現したもので,限りなく細かい構造を持ち,小数点で表す次元である1)

参考文献

1) Mandelbrot BB:The Fractal Geometry of Nature. WH Freeman & Co, New York, 1988
2) Smith TG Jr, Lange GD, Marks WB:Fractal methods and results in cellular morphology-dimensions, lacunarity and multifractals. J Neurosci Methods 69:123-136, 1996
3) Cross SS:Fractal in pathology. J Pathol 182:1-8, 1997
4) Losa GA, Baumann G, Nonnenmacher ThF:Fractal dimension of pericellular membranes in human lymphocytes and lymphoblastic leukemia cells. Path Res Pract 188:680-686, 1992
5) Hilditch CJ:Linear skeletons from square cupboards. Machine Intelligence Ⅳ (Meltzer B and Mitchie D, eds), Edinburgh University Press, Edinburgh, pp403-420, 1969
6) 丹羽欣正:フラクタル次元による血液細胞核構造の定量的表現の試み(非腫瘍リンパ球系).日本検査血液学会誌 1:70,2000
7) 吉田崇,丹羽欣正:フラクタル次元による血液細胞核構造の定量的表現の試み(慢性リンパ増殖性疾患).臨床病理 48(補):173,2000
8) 丹羽欣正:デジタル画像を用いたリンパ球核構造のフラクタル次元の測定.臨床病理 50:702-705,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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