icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻12号

2005年11月発行

文献概要

特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩 6章 画像情報・波形情報の解析法

2. 動脈硬化検査(CAVI)

著者: 山本智幸1 原田昌明1 山西昭夫1

所属機関: 1フクダ電子株式会社ME事業部

ページ範囲:P.1541 - P.1546

文献購入ページに移動
はじめに

 動脈硬化を客観的に評価する検査方法として動脈波伝播速度(Pulse Wave Velocity;PWV)計測がある.PWVは心収縮期に駆出された血液によって大動脈の血管径が大きくなり拡張期に元に戻る動きが末梢側に伝わっていく速度を示している.したがってその速度は2点間における距離を同一位相になる時間で割れば求められる.動脈が硬いほど大きくなり,動脈硬化の指標として古くから測定されてきた1).ここではPWV測定の歴史を振り返り,生体情報であるがゆえの不規則性を再現性ある測定にするように工夫がなされてきたことを述べるとともに,最近開発されたPWV測定から血圧に依存しない動脈硬化度評価を可能にした血圧脈波検査装置CAVI搭載VaSeraTMVS-1000(フクダ電子(株))で行っているデジタル処理された波形からPWVを求めている解析方法について説明する.

参考文献

1) 吉村正蔵:シンポジューム「内科学におけるレオロジーの導入」(5)大循環のレオロジー―大動脈硬化度の定量的測定と病理,臨床との関連.日内会誌 58:1332-1337,1969
2) 増田善昭,金井寛:動脈脈波の基礎と臨床.共立出版,pp15-19,2000
3) 長谷川元治:ヒト大動脈脈波速度に関する基礎的研究.東京慈恵会医科大学雑誌 85:742-760,1970
4) 長谷川元治:脈波速度法(PWV)による動脈硬化度の評価.日本臨牀 55:688-690,1997
5) 荒井親雄,竹内光吉,安部信行,他:生理機能検査法-大動脈脈波伝達速度および関連検査.現代医療 23:67-75,1991
6) 岡部文雄,辻義則,下瀬雅士:血圧脈波検査装置の使用経験による知見-2社の装置比較より.循環器情報処理研究会誌 18:13-19,2003
7) 高田正信,川崎健:PWV(pulse wave velocity)測定の意義-臨床応用の問題点の立場から.臨床高血圧 8:256-264,2003
8) 小路裕,冨山博史,山科章:脈波速度(PWV).臨床検査 48:1437-1446,2004
9) 林紘三郎:バイオメカニクス.コロナ社,pp75-79,2000
10) 川崎健,竹内光吉,長谷川元治,他:超音波変位計による非観血的総頸動脈効果判定法.脈管学 22:241-248,1982
11) 白井厚治:非侵襲的動脈硬化診断法CAVIの学理と原理.血管バイオニクス研究会抄録集 1:1-6,2004
12) Bramwell JC, Hill AV:Velocity of the pulse wave in man. Proc Roy Soc B:298-306, 1922

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?