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雑誌詳細

文献概要

今月の表紙 染色体検査・6

造血器腫瘍におけるFISH解析

著者: 大坪香里1

所属機関: 1株式会社エスアールエル遺伝子・染色体解析センター

ページ範囲:P.1618 - P.1621

蛍光in situハイブリダイゼーション(fluorescence in situ hybridization;FISH)法は,染色体検査の中では比較的新しく,1990年代に急速に普及した方法である.当施設でも初めに先天異常疾患を導入し,その後造血器腫瘍を対象に導入してきた.

 造血器腫瘍における染色体検査は,それまでG-band法が用いられていた.G-band法は,材料中の幼若細胞を培養し,紡錘糸形成阻害剤を用い,細胞周期を分裂中期で停止させることにより得られた分裂中期核が,検査の対象となる.したがって,分裂中期核が得られなければ検査ができないという特徴があった.その特徴を補う検査として,培養に頼らない間期核を対象とする間期核FISH法を導入した.近年では,市販プローブが充実し,さまざまな染色体異常・遺伝子異常に対応できるようになり,FISH法による疾患特異的異常の検出は,病型判断や治療における予後予測に役立つようになってきた1)

参考文献

1) 池内達郎,吉田光明,小原深美子,他:螢光in situハイブリダイゼーション(FISH)法,白血病 リンパ腫.遺伝子・染色体検査学(奈良信雄編),医歯薬出版,p106, 136, 1999
2) Streubel B, Lamprecht A, Dierlamm J, et al:T(14;18)(q32;q21)involving IGH and MALT1 is a frequent chromosomal aberration in MALT lymphoma. Blood 101:2335-2339, 2003
3) Sanchez-Izquierdo D, Buchonnet G, Siebert R, et al:MALT1 is deregulated by both chromosomal translocation and amplification in B-cell non-Hodgkin lymphoma. Blood 101:4539-4546, 2003
4) Felix M:An International System for Human Cytogenetic Nomenclature(1995), Cytogenet Cell Genet, Switzerland, p20, 1995
5) http://www.vysis.com

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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