icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻3号

2005年03月発行

文献概要

今月の主題 私と臨床検査―先達の軌跡 私と臨床検査

草創期の免疫血清分野での標準化

著者: 菅原孝雄1

所属機関: 1国立感染症研究所

ページ範囲:P.260 - P.262

文献購入ページに移動
1.はじめに

 昭和40年代に入って,抗原抗体反応を利用した免疫学的診断法が急速に進歩し,その鋭敏度,特異性が優れていることから多用されるようになった.

 当時,私は国立予防衛生研究所(現・国立感染症研究所)の免疫血清部門に在籍し,梅毒血清学検査法などを担当していた.梅毒血清学的診断法は,当時としては臨床検査のなかでも重要な部門であった.手技の標準化はもちろん,診断薬キットの精度を検定することが業務として行われていたが,そのために必要なものは標準血清であった.患者血清をプールし,一定量の抗体を含む抗血清を製造し,これを自家参照標準品として用いていた.このような関係から,私は臨床検査の標準化に興味を抱かざるを得なかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?