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文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻3号

2005年03月発行

文献概要

今月の主題 私と臨床検査―先達の軌跡 私と臨床検査

私の臨床検査の研究を辿って

著者: 椎名晋一1

所属機関: 1東京医科歯科大学

ページ範囲:P.293 - P.295

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私が東京医科歯科大学の内科医局に大学院生として入局した1954(昭和29)年には臨床検査部がなかったので,受持ち患者の検査はすべて医師自身が行った時代であった.これが国立大学に検査部ができた1970(昭和45)年まで続いたのである.したがって,患者に対する診療のための検査を行うとともに,臨床検査に関する研究を行う好機でもあった.

 「1954~1959(昭和29~34)年」

 私の大学院の博士論文の課題は1959(昭和34)年「脚気様症候群におけるベクトル心電図の臨床的研究」である1).当時,ベクトル心電計は市販されておらず,東京医科歯科大学第三内科の故佐野豊美助教授(後に教授)がアメリカから持参された機器をお借りして博士論文の研究を行うとともに佐野助教授のテーマの研究をお手伝いして研究発表を行ったり2),診療のためのベクトル心電図検査を行った.現在,ベクトル心電図は臨床検査技師の教育内容にも含まれているように心電図の波形の理解に重要な情報を提供している.

参考文献

1) 椎名晋一:脚気様症候群におけるベクトル心電図の臨床的研究.御茶の水医誌 7:2418-2425, 1959
2) Toyomi S, Hisashi O, Shin-ichi S, et al:The T vector Loop in Arteriosclerosis. 呼吸と循環(英文版) 81:131-136, 1960
3) 福岡良男,椎名晋一,宍戸英雄,他:黄疸鑑別法としてのJirgle試験.臨床病理 11:263-266, 1963
4) 比江嶋一昌,村上春雄,安田雍年,他:α-hydroxybutyric dehydrogenaseの臨床的意義.日本臨牀 23:885-888, 1965
5) 椎名晋一:脈波の鑑別診断.医学出版社,1970
6) 椎名晋一,比江嶋一昌,土屋滋,他:胃電計.医用電子と生体工学 3:257-258, 1965
7) 椎名晋一,備前亮一,安田雍年,他:超音波による心嚢貯留液の診断に関する研究.日本循環器学会誌 31:369, 1967
8) 椎名晋一,玉置肇:心エコー図のよみ方.医学秀文社,1980
9) 椎名晋一,亀井康行,西堀眞弘,他:心電図自動解析に関する研究―第1報心電図自動解析装置の解析プログラム改良の臨床評価.日本臨床生理学会雑誌 15:1-6, 1985
10) 椎名晋一:検査診断における人工知能の応用.臨床病理 34:501-507, 1986
11) Shiina S:Problems and solutions in the development of an expert system:Proceedings of the Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society, pp1869-1870, 1989
12) Shiina S, Nishibori M, Matsuzaki H, et al:Practical use of optical cards in medical care:Proceedings of the 15th Annual Symposium on Computer Applications in Medical Care, pp861-863, 1992
13) 研究代表者 椎名晋一:医療用光カードのフォーマット統一に関する研究.昭和63年度文部省科学研究費総合研究(A)平成元年継続,平成2年継続
14) 研究代表者 椎名晋一:医療用レーザーカードのデーター管理の信頼性に関する研究.平成元年度文部省科学研究費一般研究(B),平成2年継続
15) 研究代表者 椎名晋一:医療用光カードにおける診療記録管理プログラムの開発研究.平成2年度文部省科学研究費試験研究(B),平成3年継続
16) 研究代表者 椎名晋一:臨床検査データーベースの標準化に関する研究.平成2年文部省科学研究費国際学術研究,平成3年継続,平成4年継続

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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