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今月の主題 アレルギー疾患の現況と今後の展望 巻頭言
アレルギー疾患の現況と今後の展望
著者: 茆原順一1
所属機関: 1秋田大学医学部臨床検査医学
ページ範囲:P.697 - P.699
文献購入ページに移動1. 即時型反応の主体
即時型のアレルギー反応は,マスト細胞(肥満細胞)で語られる.
肥満細胞はその表面上に105個/細胞以上のIgE抗体に対する高親和性レセプター(FcεRI)をもっている.IgEがFcεRIに結合し,さらに多価抗原の結合・架橋が起こると,活性化された肥満細胞は顆粒中の各種ケミカルメディエーターを放出し,血管浸透性亢進や平滑筋収縮が惹起され,Ⅰ型の即時型アレルギー反応を起こす.さらに,サイトカインを放出することによって,好酸球をはじめとする各種の炎症細胞を遊走・活性化し,遅延型反応も促進する.また,B細胞からIgE抗体産生細胞への分化(IgEクラススイッチング)誘導にも作用する.
即時型のアレルギー反応は,マスト細胞(肥満細胞)で語られる.
肥満細胞はその表面上に105個/細胞以上のIgE抗体に対する高親和性レセプター(FcεRI)をもっている.IgEがFcεRIに結合し,さらに多価抗原の結合・架橋が起こると,活性化された肥満細胞は顆粒中の各種ケミカルメディエーターを放出し,血管浸透性亢進や平滑筋収縮が惹起され,Ⅰ型の即時型アレルギー反応を起こす.さらに,サイトカインを放出することによって,好酸球をはじめとする各種の炎症細胞を遊走・活性化し,遅延型反応も促進する.また,B細胞からIgE抗体産生細胞への分化(IgEクラススイッチング)誘導にも作用する.
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