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今月の主題 アレルギー疾患の現況と今後の展望 話題
アレルギー疾患のトランスクリプトーム解析Ⅱ―新規アレルギー疾患マーカーとしての扁平上皮細胞癌抗原(SCCA)の同定
著者: 出原賢治12
所属機関: 1佐賀大学医学部分子生命科学講座分子医化学分野 2佐賀大学医学部附属地域医療科学教育研究センター重点医療研究部門
ページ範囲:P.769 - P.772
文献購入ページに移動ヒトゲノムプロジェクトが終了してポストゲノム時代となった現在,「トランスクリプトーム」に大きな関心が払われている.トランスクリプトームとは,遺伝子がmRNAとして転写された状態全体を指している.トランスクリプトームが注目を浴びている理由は,一般に,ある細胞においてある時点では,遺伝子全体の約5%しか転写されておらず,ほとんどの遺伝子は活性化されていないことが挙げられる.また,トランスクリプトームを解析することにより,様々な疾患の原因を明らかにできると期待されていることも挙げられる.マイクロアレイはトランスクリプトームを解析する最も強力な道具である.マイクロアレイを用いることにより,数千の遺伝子に関する発現解析を同時に,しかも比較的簡便に行うことが可能となっている.本稿では,われわれがマイクロアレイ法を用いて新規のアレルギー疾患診断マーカーを同定した試みについて紹介したい.それ以外の気管支喘息に対するマイクロアレイの応用については,他の総説を参考にしていただきたい1).
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