文献詳細
文献概要
シリーズ最新医学講座 臨床現場における薬毒物検査の実際・5
確認分析法(GC・GC/MS)
著者: 斉藤剛1 武市早苗1
所属機関: 1東海大学医学部基盤診療学系法医学
ページ範囲:P.803 - P.810
文献購入ページに移動中毒起因物質の分析を行う場合,最初に短時間でスクリーニングできる簡易検査が大抵行われるが,簡易検査による薬毒物スクリーニングは,稀にその検査特有の偽陽性が生ずる場合があるため1次試験として位置づけられている.そこで1次試験の結果が陽性の場合,確認検査として目的化合物に合わせた抽出が行われた後に1次試験よりも感度の良い2次試験が行われる.なお,簡易検査による薬毒物スクリーニングに関しては成書1,2)を参考にしていただきたい.
確認検査は通常機器分析が行われるが,すべての検査に対して1次試験と2次試験を行う必要があるわけではない.例えばルーチン検査として行われるアルコール検査などは1次,2次試験を兼ねて初めから機器分析が行われるため,1度の検査で終了することもある.しかし,覚せい剤や麻薬など法規制されている薬物に関しては必ず1次試験としてイムノアッセイを行い,陽性を示した場合は確認検査として目的化合物毎に2次試験の機器分析を行うのが理想である.
確認検査で使用される機器はGC,GC-MS,高速液体クロマトグラフィー(HPLC),高速液体クロマトグラフィー/質量分析計(LC-MS)等様々であるが,これらの機器を用いて各化合物の同定と定量が行われる.
参考文献
掲載誌情報