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シリーズ最新医学講座 臨床現場における薬毒物検査の実際・6
確認分析法(HPLC, LC/MS)
著者: 工藤恵子12 鮫島一郎3 石田知己12 池田典昭4
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院社会環境医学講座 2九州大学大学院医学研究院法医学分野 3健和会大手町病院・中毒センター 4九州大学大学院医学研究院
ページ範囲:P.907 - P.917
文献購入ページに移動和歌山の毒入りカレー事件やその後に頻発した毒物混入事件を契機に,臨床現場における薬毒物検査の重要性が認識され,旧厚生省が全国73の救命救急センターに分析機器を配備したのは1998年(平成10年)度のことである.このとき最も多くの施設に配備されたのが蛍光X線分析装置とならんで,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)であった.あれから6年が経過し,配備された分析機器を用いた薬毒物分析が順調に行われている施設も多数存在する一方,分析を開始してみたものの思ったように結果を得ることができず,現在では全く分析が行われていない施設も見受けられる.また,機器の配備は行われなかったが,独自に分析機器を購入して薬毒物分析を立ち上げた施設もある.このような状況下,今一度基本に戻り「臨床現場における薬毒物検査の重要性」を再認識し,より実用性の高い分析を行うことは重要であると思われる.
本稿では,HPLCと高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)の原理を簡単に紹介すると同時に,これらの分析機器を用いて「できること・できないこと」,さらに機器を使用するうえで最低限知っておきたい注意点について,実際の臨床症例における分析経験も交えながら解説する.
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