文献詳細
文献概要
今月の主題 キャピラリー電気泳動法 話題
製薬製剤の品質管理
著者: 西博行1
所属機関: 1田辺製薬株式会社分析研究所
ページ範囲:P.1021 - P.1026
文献購入ページに移動1.医薬品の品質評価
医薬品の安全性・有効性は,その品質が十分に確保されていることにより担保される.医薬品の品質は,製造(Good Manufacturing Practice;GMP)と評価法が定められている「規格及び試験方法」により保証されるが,その規格の例としては日本薬局方(Japanese pharmacopoeia;JP)が参考になる.また,新規医薬品であれば,日米EU医薬品規制調和国際会議(International Conference on Harmonization;ICH)で合意されている,品質に関するQ(Quality)パートに様々なガイドライン1)が出されており,その中のQ6AおよびQ6Bに指針がある.
医薬品の品質評価を行う試験項目には,その製造法や医薬品の物性,安定性などを考量し,定量法をはじめ,様々な項目が合理的に設定されている.また,製剤であればその製剤に特有な性能を評価する試験項目が加えられる.例えば,エアゾール剤であれば噴射時間と噴射量の関係などがある.医薬品の品質はこのようなGMP下での製造と多種多様な試験により担保されるが,試験項目のエッセンスとしては,性状,確認試験,純度試験それに定量法が挙げられる.この純度試験や定量法の多くに,高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography;HPLC)を代表とする分離分析法が採用されている.
医薬品の安全性・有効性は,その品質が十分に確保されていることにより担保される.医薬品の品質は,製造(Good Manufacturing Practice;GMP)と評価法が定められている「規格及び試験方法」により保証されるが,その規格の例としては日本薬局方(Japanese pharmacopoeia;JP)が参考になる.また,新規医薬品であれば,日米EU医薬品規制調和国際会議(International Conference on Harmonization;ICH)で合意されている,品質に関するQ(Quality)パートに様々なガイドライン1)が出されており,その中のQ6AおよびQ6Bに指針がある.
医薬品の品質評価を行う試験項目には,その製造法や医薬品の物性,安定性などを考量し,定量法をはじめ,様々な項目が合理的に設定されている.また,製剤であればその製剤に特有な性能を評価する試験項目が加えられる.例えば,エアゾール剤であれば噴射時間と噴射量の関係などがある.医薬品の品質はこのようなGMP下での製造と多種多様な試験により担保されるが,試験項目のエッセンスとしては,性状,確認試験,純度試験それに定量法が挙げられる.この純度試験や定量法の多くに,高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography;HPLC)を代表とする分離分析法が採用されている.
参考文献
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