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私の工夫
濾紙片を用いてのチール・ネルゼン染色
著者: 山本五郎1
所属機関: 1国立京都療養所
ページ範囲:P.129 - P.129
文献購入ページに移動 結核菌,または喀痰のチール・ネルゼン染色の場合,普通には,チール液を濾紙で濾過して,載せ硝子に満載し,加温染色することになつているが,この満載する意味は加温によつて遊離したフクシンのいわゆる「カス」を,表面張力によつて,標本面に附着させない点にあると考えられる。
私は,あらかじめ塗抹面より,一廻り位大きいめの濾紙片(約2×2.5cm)を作つておき,染色時,載せ硝子の塗抹面の上に覆せ,この上に直接,チール液を,濾紙片が一様に湿つて,余分が周囲に,にじみ出る程度に(約4〜5滴)滴下して,加温染色(乾燥してきたら,さらに1〜2滴追加する)しているが,濾過と染色を同時に行うことの他に,チール液の節約(費用にして,約1/2〜1/3)となり,染色具合も,これまでの方法と大差なく,具合がよい。
私は,あらかじめ塗抹面より,一廻り位大きいめの濾紙片(約2×2.5cm)を作つておき,染色時,載せ硝子の塗抹面の上に覆せ,この上に直接,チール液を,濾紙片が一様に湿つて,余分が周囲に,にじみ出る程度に(約4〜5滴)滴下して,加温染色(乾燥してきたら,さらに1〜2滴追加する)しているが,濾過と染色を同時に行うことの他に,チール液の節約(費用にして,約1/2〜1/3)となり,染色具合も,これまでの方法と大差なく,具合がよい。
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