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文献詳細

雑誌文献

臨床検査5巻6号

1961年06月発行

文献概要

技術解説

脂肪染色—その実際と要領

著者: 影山圭三1

所属機関: 1慶応大学病理

ページ範囲:P.351 - P.355

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はじめに
 脂肪或は脂質の中には,中性脂肪,胆固素脂肪,類脂質,脂酸,など多くのものが含まれていて,脂肪染色としてもつとも広く用いられているSudanⅢによる染色法は,主として中性脂肪を染色する方法で,普通に脂肪染色という場合には,中性脂肪染色を意味することが多い。SudanⅢの他に,Oil red O,Sudan Black B,Scharlach rot,オスミウム酸等が同様に用いられているが,これらの染色では,各種の脂質の鑑別が困難で,そのためには,例えば胆固素脂肪(Cholesterin),燐脂質(Phosphatide),脂肪酸の証明法としては,それぞれSchulz法,Ciaccio法,Fischer法などがあり,また重屈折性の有無を利用して,各種の脂質を区別する方法も用いられている。
 以下,代表的な数種の染色法の実際と要領について説明するが,これらは一つの規準となるもので,染色液の状態或は室温などにより,染色に要する時間など,多少の伸縮を要する事は云う迄もない。要は「染め上り」であり,この点は他のすべての染色に対すると同じ心構えが必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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