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私の工夫
インク染色による直接塗抹検便法
著者: 松下正一1
所属機関: 1天神クリニック臨床検査室
ページ範囲:P.599 - P.599
文献購入ページに移動 一般に直接塗抹検便法による虫卵検出は,糞便を生理的食塩水又は常水でまぜあわせ,鏡検を行つているが,塗抹の厚さや視野の明るさにより,虫卵の判別が困難な場合がある。寄生虫卵の染色し難い性質を利用して,私は常水のかわりにインキ稀釈液を使用して鏡検を行い,良い成績を上げている。即ち,市販のインクを直接使用すると濃く染まつて鏡検に不適当のため,常水にて5倍に稀釈したものを使用して,塗抹標本を作成し,鏡検の際には,コンデンサーを開いて視野を明るくして検索を行う。
糞便成分はインクにより,青色に染まるものと染まらないものがあるが,鉤虫,蛔虫受精卵等は染色し難いので,周囲の青く染まつた部分より浮き出て卵殻がはつきりと見え,又その内容物も良く判別出来る。蛋白膜を持つ蛔虫受精卵,不受精卵では,卵殻の附着物は染まるがその内容物は染まらないので,他の類似雑夾物との見分けが簡単である。黄褐色の鞭虫等は周囲の青色とのコントラストがよいので判別しやすい。
糞便成分はインクにより,青色に染まるものと染まらないものがあるが,鉤虫,蛔虫受精卵等は染色し難いので,周囲の青く染まつた部分より浮き出て卵殻がはつきりと見え,又その内容物も良く判別出来る。蛋白膜を持つ蛔虫受精卵,不受精卵では,卵殻の附着物は染まるがその内容物は染まらないので,他の類似雑夾物との見分けが簡単である。黄褐色の鞭虫等は周囲の青色とのコントラストがよいので判別しやすい。
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