icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻1号

2006年01月発行

文献概要

今月の主題 PK/PD解析を指標とした感染症治療 各論

PK/PDパラメータを用いた臨床検査室からの抗菌薬治療支援情報の提供

著者: 阿部教行1 小松方1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部

ページ範囲:P.49 - P.54

文献購入ページに移動
臨床検査室から抗菌薬治療支援情報の提供を充実させるには,CLSIブレークポイントを使用した評価だけでなく,患者個々の特徴に応じたPK/PDブレークポイントを提示できる技術が必要となる.国内の臨床第I相試験成績に基づきPK/PDブレークポイントを算出したところ,CLSIブレークポイントより2~5管低いMIC値を示すことを見いだした.PK/PDブレークポイントは,同一抗菌薬でも腎機能や抗菌薬の用法用量が異なるたびに自由自在に変化させることができる.今後臨床検査室にもこのような考え方が普及し,検査結果に基づいた抗菌薬療法の確実性がより向上されることを期待したい.〔臨床検査 50:49-54,2006〕

参考文献

1) Clinical and Laboratory Standards Institute:Performance standards for antimicrobial susceptibility testing;fifteenth information supplement (M100-S15). Clinical and Laboratory Standards Institute, Wayne, PA. 2005
2) 斉藤厚,稲松孝思,岡田淳,他:呼吸器感染症および敗血症におけるブレークポイント(日本化学療法学会抗菌薬感受性測定法検討委員会編),日本化学療法学会 42:905-914, 1994.
3) Craig WA:Pharmacokinetic/pharmacodynamic parameters;rationale for antibacterial dosing of mice and men. Clin Infect Dis 26:1-12, 1998
4) 小松方,中村彰宏,相原雅典,島川宏一,他:Pharmacokinetics/pharmacodynamics parameter算出プログラムの開発と,MIC値を活用した新しい感染症治療ガイドライン作成の試み―特にtime above the MICによって評価される抗菌薬を対象に.Jpn J Antibiot 56:697-704, 2003
5) 小松方,相原雅典:PK/PD理論に基づく新しいブレークポイントの提案,より良い感染症治療をめざして,ライフサイエンス,pp27-40, 2004
6) Cockcroft DW, Gault MH:Prediction of creatinine clearance from serum creatinine. Nephron 16:31-41, 1976

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?