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今月の表紙 細胞診:感染と細胞所見・1
コイロサイトーシス
著者: 住石歩1 海野みちる1 坂本穆彦2
所属機関: 1杏林大学医学部病理学教室 2杏林大学医学部
ページ範囲:P.4 - P.6
文献購入ページに移動コイロサイトの特徴は,扁平上皮細胞の核の周囲が大きく抜け,細胞質辺縁が厚く肥厚する点であり,パパニコロウ染色でライトグリーンやオレンジ色に染まる.核は単核および多核で,核の不整が観察される細胞もある(図2~4).パパニコロウ染色による光学顕微鏡標本では,ウイルスを見ることはできないが,in situ hybridization法により,ドット状に染まるHPVを確認することができる(図6,7).HPVが扁平上皮細胞に感染するときは,まず基底細胞に感染し,少ないDNAだけで潜伏する.表層の分化した細胞では,潜伏していたDNAの1万倍以上のコピーにまで増え,キャプシドもつくられ自らをウイルスとして形成している.このとき細胞・組織学的にコイロサイトーシスとして観察される(図5~7).
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