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今月の主題 臨床検査史―国際的な流れとわが国の動向 各論
血液学
著者: 上平憲1
所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病態制御・診断学
ページ範囲:P.1661 - P.1665
文献購入ページに移動 近代医学・生物学の源流は19世紀後半に芽生えた.血液検査も当時の先進的研究と表裏一体となって臨床に取り入れられ,現在の血球計数検査と形態検査に類似した血液検査が始まっている.したがって,この血液検査の原型は以後この150年間脈々と続いていることになる.このように血液検査は,時代時代の先端科学と常に表裏一体となって医療に,医学に貢献してきた.しかし,この戦後の50年は人類史上類のないスピードで生物科学が進歩しているが,それに整合できない血液検査が指摘されている.検査の近代化は血液検査から始まり,その進歩は測定機器や情報システムに依存している.未来の血液検査が19世紀後半のような輝きとなることを期待して,血液学および血液検査の歴史を学び,レビューする.〔臨床検査 50:1661-1665,2006〕
参考文献
1) Lichtman MA:Willam's Hematology, 7th edition, McGraw-Hill, New York, 2006
2) 相川忠臣,酒井シズ:ポンペ・ファン・メールデルフォールトの近代臨床検査伝習.日本検査血液学会誌 7, 2006
3) Nowell PC, Hungerford DA:Chromosome studies on normal and leukemic human leukocytes. J Natl Cancer Inst 25:85-109, 1960
4) Rowley JD:A new consistent chromosomal abnormality in chronic myelogenous leukaemia identified by quinacrine fluorescence and Giemsa staining. Nature 243:290-293, 1973
5) de Klein A, van Kessel AG, Grosveld G, et al:A cellular oncogene is translocated to the Philadelphia chromosome in chronic myelocytic leukaemia. Nature 300:765-767, 1982
6) Druker BJ, Tamura S, Buchdunger E, et al:Effects of a selective inhibitor of the Abl tyrosine kinase on the growth of Bcr-Abl positive cells. Nat Med 2:561-566, 1996
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