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今月の主題 臨床検査史―国際的な流れとわが国の動向
各論
文献概要
古代から血液が体外で凝固する事実を肉眼的に観察することから始まった血漿蛋白質検査は,分離・解析法の進歩とともに多様化したが,とくに電気泳動法が大きな実績を挙げた.2003年にはヒトゲノムの塩基配列プロジェクトがほぼ完結したが,ポストゲノム時代は,蛋白質個々の同定と機能解析だけではなく,全蛋白質の相互作用を網羅的に研究するプロテオミクス時代へと突入した.体内組織のほとんどすべての蛋白質成分とその代謝物は血液に溶け出していることから,超精密定量・同定法,とりわけ精密免疫測定法と質量分析法による血漿蛋白質検査は無限に広がる可能性がある.〔臨床検査 50:1673-1676,2006〕
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