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文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻2号

2006年02月発行

文献概要

今月の主題 花粉症克服への展望 技術解説

花粉症におけるIgE測定

著者: 荻野敏1 菊守寛2 馬場謙治3

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻看護実践開発科学 2菊守耳鼻咽喉科医院 3馬場耳鼻咽喉科医院

ページ範囲:P.163 - P.169

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花粉症は典型的なⅠ型アレルギーであり,その発症にIgEは密接に関係している.特異的IgE測定には多くの方法があるが,最近は皮膚テストに替わり世界的にCAP-RASTが基本となっている.原因アレルゲンの同定に当たって,特異的IgE測定は極めて有用であるが,しばしば臨床症状との不一致,鼻誘発テストとの不一致などを経験する.また,花粉植生の地域差,抗原交差性(共通抗原性)も考慮する必要がある.このように花粉症の診断における特異的IgE測定の意義は極めて高いが,患者の病歴が最も重要であり,特異的IgE測定は重要な補助診断として位置づけられる.〔臨床検査 50:163-169,2006〕

参考文献

1) 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症―2002年版,ライフサイエンス,2002
2) 奥田稔,宇佐神篤,伊藤博隆,他:アレルギー性鼻炎における昆虫アレルギーの全国調査.日耳鼻 105:1181-1188,2002
3) 荻野敏,渡邉信一郎,入船盛弘,他:アレルギー性鼻炎症例における陽性アレルゲンについての検討;CAP法を用いて.耳鼻 43:326-333,1997
4) 荻野敏,荻野仁,馬場謙治,他:スギ花粉症自己診断例のアレルゲン陽性率.耳鼻臨床 94:1073-1078,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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