文献詳細
今月の主題 ホルマリン固定パラフィン包埋標本からどこまで遺伝子検索は可能か?
話題
文献概要
1.はじめに
分子生物学の発達により,分子レベルでの疾患の分類,疾患の理解が進み,多くの病態が明らかとなりつつある.個人の遺伝子多型や遺伝子プロファイルは癌の発症や薬剤への効果などに影響を及ぼすこともわかってきた.様々な知見を診断や治療に適用していくためには,信頼性の高い核酸解析結果を得ることが求められる.病理組織標本には,様々な細胞が混在している場合が多い.例えば腫瘍の実質と間質であったり,異型細胞と正常細胞,あるいは組織型の異なる腫瘍が混在していることもある.調査の対象とする細胞がどのような分子生物学的背景を持つのかを正確に解析するためには,標的細胞を形態学に基づいて単離し回収することが重要であり,レーザーマイクロダイセクション(laser microdissection;LMD)法が威力を発揮する.
分子生物学の発達により,分子レベルでの疾患の分類,疾患の理解が進み,多くの病態が明らかとなりつつある.個人の遺伝子多型や遺伝子プロファイルは癌の発症や薬剤への効果などに影響を及ぼすこともわかってきた.様々な知見を診断や治療に適用していくためには,信頼性の高い核酸解析結果を得ることが求められる.病理組織標本には,様々な細胞が混在している場合が多い.例えば腫瘍の実質と間質であったり,異型細胞と正常細胞,あるいは組織型の異なる腫瘍が混在していることもある.調査の対象とする細胞がどのような分子生物学的背景を持つのかを正確に解析するためには,標的細胞を形態学に基づいて単離し回収することが重要であり,レーザーマイクロダイセクション(laser microdissection;LMD)法が威力を発揮する.
参考文献
1) Emmert-Buck MR, Bonner RF, Smith PD, et al:Laser capture microdissection. Science 274:998-1001, 1996
2) Bohm M, Wieland I, Schutze K, et al:Microbeam MOMeNT:non-contact laser microdissection of membrane-mounted native tissue. Am J Pathol 151:63-67, 1997
3) 根本則道,中西陽子:レーザーマイクロダイセクション法を用いた核酸解析の病理診断への応用.組織細胞化学2004-進化するバイオサイエンス-(日本組織細胞化学会編),学際企画,pp201-210, 2004
4) Nakanishi Y, Mizutani G, Sano M, et al:Comparison of HER2 mRNA Amplification with the Results of Immunohistochemistry in Human Breast Cancer Using Laser Assisted Microdissection Technique. Acta Histochemica et Cytochemica 37:73-80, 2004
5) Nakanishi Y, Oinuma T, Ohni S, et al:Novel breakpoint of the EWS/WT1 fusion gene and interleukin-2 signaling pathway in a desmoplastic small round cell tumor (abstract). XXV Congress of the International Academy of Pathology, 2004
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