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今月の主題 乳癌と臨床検査 各論
乳腺細胞診の検体処理法(吹き出し法,剥がし法,すり合わせ法,圧挫法,オートスメア法)の検討
著者: 前田昭太郎1 柳田裕美1 片山博徳1 内藤善哉2
所属機関: 1日本医科大学多摩永山病院病理部 2日本医科大学病理学教室第二
ページ範囲:P.61 - P.69
文献購入ページに移動乳腺細胞診の検体処理法としては通常吹き出し法,剥がし法,すり合わせ法が行われているが,どの処理法を行うかは施設によって異なる.しかし穿刺吸引材料の処理法によって細胞所見が異なるため,それぞれの処理法の特徴(長所,短所)を熟知していないと細胞診断上思わぬ落とし穴に陥るおそれがある.そこで本稿では,それぞれの検体処理法における細胞所見の特徴について解説した.
乳癌では組織型診断のみならず,予後推定因子の検索も治療上,極めて重要である.当病理部では穿刺吸引細胞診で組織型診断を行うと同時に,細胞診材料を用いて①予後推定のための免疫染色(ER,PgR,HER2),②CISH法によるHER2遺伝子増幅,過剰発現の解析を行っているが,そのためには自動細胞収集装置を用いて細胞診標本を作製するオートスメア法が特に有用である.これらの事実は必ずしも周知されていないため,簡単に言及した.〔臨床検査 51:61-69,2007〕
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