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今月の主題 乳癌と臨床検査 トピックス
乳がん看護認定看護師―検査・診断過程における看護師の役割
著者: 阿部恭子1
所属機関: 1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
ページ範囲:P.91 - P.93
文献購入ページに移動1.はじめに
乳癌が女性の臓器別癌罹患率の第1位となり,乳癌検診に対する様々な啓発活動が行われるに従って,乳癌検診への関心は高まってきている.そして,視触診単独の検診から,マンモグラフィあるいは超音波検査などの画像診断併用乳癌検診へと移行しつつあり,より精度の高い検診が求められている.検診によって,「所見あり」もしくは「要精密検査」となった受診者に対して看護師は慎重にかかわる必要がある.しかし,多忙で煩雑な外来看護の場では,乳癌の診断がつき,病名と治療方針を説明するいわゆる告知の場面への看護師の関心が高く,検査・診断過程に対しては目を向ける余裕がないことが多い.乳癌診療におけるチームアプローチの重要性が高まっている現在,看護師は,検査・診断過程の知識を深め,受診者(患者)の不安を緩和する心理的サポートを重視する必要がある1,2).
2005年10月から,「乳がん看護認定看護師」の教育が始まり,乳癌患者・家族へのスペシャリティの高い看護を提供することによって,乳癌患者・家族のQOLの向上と乳癌診療の質の向上に貢献することが期待されている.
本稿では,乳がん看護認定看護師誕生までの経緯と乳がん看護認定看護師の役割について,さらに乳癌のチーム医療における看護師の役割を述べる.
乳癌が女性の臓器別癌罹患率の第1位となり,乳癌検診に対する様々な啓発活動が行われるに従って,乳癌検診への関心は高まってきている.そして,視触診単独の検診から,マンモグラフィあるいは超音波検査などの画像診断併用乳癌検診へと移行しつつあり,より精度の高い検診が求められている.検診によって,「所見あり」もしくは「要精密検査」となった受診者に対して看護師は慎重にかかわる必要がある.しかし,多忙で煩雑な外来看護の場では,乳癌の診断がつき,病名と治療方針を説明するいわゆる告知の場面への看護師の関心が高く,検査・診断過程に対しては目を向ける余裕がないことが多い.乳癌診療におけるチームアプローチの重要性が高まっている現在,看護師は,検査・診断過程の知識を深め,受診者(患者)の不安を緩和する心理的サポートを重視する必要がある1,2).
2005年10月から,「乳がん看護認定看護師」の教育が始まり,乳癌患者・家族へのスペシャリティの高い看護を提供することによって,乳癌患者・家族のQOLの向上と乳癌診療の質の向上に貢献することが期待されている.
本稿では,乳がん看護認定看護師誕生までの経緯と乳がん看護認定看護師の役割について,さらに乳癌のチーム医療における看護師の役割を述べる.
参考文献
1) 武石優子:診断のための検査にともなうケア MMG・US・CT・MRI.乳がん患者へのトータルアプローチ(射場典子,長瀬慈村監),ピラールプレス,pp141-144,2005
2) 阿部恭子:診断のための検査にともなうケア 細胞診・組織診.乳がん患者へのトータルアプローチ(射場典子,長瀬慈村監),ピラールプレス,pp145-148,2005
3) 田中完児:英国におけるブレストケア.乳がん患者へのトータルアプローチ(射場典子,長瀬慈村監),ピラールプレス,p15,2005
4) 阿部恭子:乳がん患者の検査・診断・治療の意思決定におけるケア.月刊ナーシング 24(2月号):40-43,2004
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