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Visfatinは主に内臓脂肪組織により分泌される新規のアジポカインであり,2型糖尿病で増加することが示されているが,インスリン感受性との関係は分かっていない.インスリン分泌異常が2型糖尿病でみられる代謝異常の進行に寄与することから,著者らはVisfatinがヒトのインスリン分泌に関係すると仮定し,このことを明らかにするために非糖尿病男性118人および2型糖尿病患者64人を対象として断面研究を実施した.また,長期にわたる1型糖尿病患者58人についても検討した.非糖尿病者では,循環Visfatinは独立的にインスリン感受性ではなくインスリン分泌と関係しており,グルコースへの急性インスリン応答だけでVisfatin変動の8%が説明された.また,OGTT30分値とも関係があった.2型糖尿病では,循環Visfatinは増加していたが,この関係はHbA1Cを考慮すると大きく弱められた.結局,循環VisfatinはHbA1C値の調整後では長期にわたる1型糖尿病患者でも増加することがわかった.循環Visfatinはβ細胞の漸進的悪化とともに増加していた.
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