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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻1号

2007年01月発行

文献概要

海外文献紹介

ヒト肥満におけるレチノール-結合蛋白質4

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.99 - P.99

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 マウスによる研究で,脂肪組織はグルコースセンサーとして働き,細胞内グルコース濃度の低下に応答する循環因子であるレチノール-結合蛋白質4(RBP4)の放出を介して全身のグルコース代謝を調節することが示唆されている.このモデルはヒトにおいては確認されていない.RBP4は分離された成熟ヒト脂肪細胞において強く発現され,ヒト脂肪細胞を分化させることにより分泌された.動物データと違って,RBP4 mRNAは肥満女性の皮下脂肪組織では抑制調節され,循環RBP4濃度は正常体重,過剰体重および肥満女性においても同じであった.RBP4はいかなる肥満関連因子とも関係なく脂肪組織のGLUT4発現と正相関していた.5%の体重減少は循環RBP4に影響することなくわずかに脂肪組織RBP4発現を低下させた.間質性グルコース濃度が高い群および低い群において静脈グルコース濃度はOGTT中に同じであり,脂肪組織の基礎的なRBP4発現および血清RBP4濃度は同じであった.著者らの知見は脂肪と循環RBP4の調節におけるげっ歯動物とヒト間にある深遠な差異を指摘し,脂肪細胞によるグルコース消費がRBP4の調節における支配的な役割であるという概念と異なっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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