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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻1号

2007年01月発行

文献概要

海外文献紹介

転写因子MITFは心臓の成長と肥大を調節する

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.99 - P.99

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 MITF(microphthalmia transcription factor)発現の上昇は色素細胞,肥満細胞,破骨細胞を含むいくつかの細胞でみられる.MITFはこれらの細胞に特異的な遺伝子の調節において中心的な役割を担っている.そのmRNAは心臓に比較的高レベルで存在するが,その心臓における役割は調べられていない.著者らはMITFの特異的な心臓isoformが心筋細胞で発現され,β-アドレナリン性刺激により誘導されることを示した.異なるMITFの突然変異を持つ2系統のマウスにおいて,β-アドレナリン性刺激への肥大性応答として心臓重量/体重比は低下した.これらのマウスではβ-アドレナリン性刺激の後に突然死する傾向があった.15月齢のほとんどのMITF突然変異マウスでは,心臓重量/体重比,収縮機能および心拍出量が顕著に低下した.正常マウスに比べMITF突然変異マウスでは,β-アドレナリン性刺激はB-typeナトリウム利尿ペプチドを誘導しなかったが,心房性ナトリウム利尿ペプチドを増加させ,心臓ストレス応答が示唆された.MITFはβ-アドレナリン性誘導の心臓肥大において必須の役割を担っていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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