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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻11号

2007年11月発行

文献概要

今月の主題 メタボリックシンドローム健診での注意点 トピックス

厚生労働省新ガイドラインでの精度管理への考え方

著者: 高木康1

所属機関: 1昭和大学病院臨床検査部

ページ範囲:P.1223 - P.1226

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1.特定健診と臨床検査

 2008年(平成20年)4月からスタートする新たな特定検診の具体的目標は,①2015年には2008年に比較して糖尿病などの生活習慣病有病者および予備群を25%減少させること,②中長期的な医療費の伸びを抑制すること,の2点である.このメタボリックシンドローム健診(メタボ健診)では,より科学的に受診者の将来発症する疾病予防を行うことになり,客観的に身体の病態を反映する臨床検査値がその指標の一つとして用いられることとなった.すなわち,この特定健診はメタボリックシンドローム予防を中心に設定されており,メタボリックシンドロームの診断基準は表1に示すように,検査値が重要な診断基準となっている.今回の特定健診でもこれら検査に脂肪肝検出のためのAST(aspartate aminotransferase),ALT(alanine aminotransferase),γ-GT(γ-glutamyltransferase),動脈硬化のためのLDL(low-density lipoprotein)-コレステロール,空腹時血糖の代わりとなるHbA1c,尿検査の糖と蛋白が加えられている.

 これら検査値は階層化の指標としても重要である.例えば,空腹時血糖が100mg/dl以上になると「保健指導」をすることになり,運動や食事の指導を行う.さらに,126mg/dl以上になると「受診勧奨」となり,しかるべき医療機関への受診をすすめることになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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