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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻11号

2007年11月発行

文献概要

今月の主題 メタボリックシンドローム健診での注意点 トピックス

郵送検診の評価

著者: 松尾収二1 佐守友博2

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部 2(株)日本医学臨床検査研究所

ページ範囲:P.1239 - P.1243

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1.はじめに

 メタボリックシンドローム健診に郵送検診が使えるかどうかがこの項のテーマであるが,郵送検診は不明な点が多い.被検者自ら検体を採取するのでいい加減な検査ではないか,濾紙に検体を採取して大丈夫か,高温の郵便ポストで大丈夫か,測定や精度管理はどうなっているのか,等々多くの疑問がある.しがし残念ながらこれらの疑問に答えるだけの十分な検討データは公表されていない.実はこの点が問題なのである.

 本稿では限られた情報を基にメタボリックシンドローム健診に郵送検診が使えるかどうかについて言及した.また筆者は健診において臨床検査関係者が考えるべきことがいまだ多くあることに気づいた.この点も併せて記した.

 なお郵送検診という名称については様々な意見があるが,本稿では編者の方針に従った.

参考文献

1) 鈴木賢二,石塚範雄,枡田喜文,他:メタボリック・シンドロームからみた生活習慣病対策の重要性.厚生の指標 54(6):7-13,2007
2) 蒲浦光正,川上ちひろ,杤久保修:宅配と通信を用いた健診.日本循環器病予防学会誌 40:205-211,2005
3) 田中義行:血液検査チップの開発と応用.臨床検査 48:1503-1510,2004
4) 上田忠,榎田良雄,渡部英樹,他:自己採取血液検査とインターネットを組み合わせた在宅健康管理システムの構築.健康医学 19:15-19,2004
5) 蒲浦光正,大野博子,今井和貞,他:新しい自己採血法「拇指球採血法」とその検査精度の検証.臨床病理 54:671-678,2006
6) 植田美津江,春日井達造,三宅智恵子,他:在宅検診の現状等将来展望―過去20年の実績と展望.臨床病理 53:1116-1120,2005
7) 佐守友博:郵便・郵送検診について,法的環境と個人の健康管理の将来像.臨床検査 48:1497-1502,2004
8) 伊藤機一:OTC検査と郵送検診.臨床病理 52:513-517,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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