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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻11号

2007年11月発行

文献概要

研究

ゼラチン液を用いた尿細胞診塗抹処理の検討―ゼラチン法

著者: 佐々木政臣1 若狹研一1 大澤雅彦1 伊倉義弘1 安藤加奈江1 塩見和彦1 塩田晃子1

所属機関: 1大阪市立大学医学部付属病院病理部

ページ範囲:P.1259 - P.1261

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 尿細胞診剥離防止対策として,沈渣に0.5%のゼラチン液を加え再度遠心後,沈渣をすり合わせ塗抹し半乾き状態にした後,固定液に入れパパニコロウ染色を行った.尿100検体を対象とし,何も入れない直接法とゼラチン法の出現細胞数と染色性の比較検討を行った.対物20倍の視野中細胞数では,0~3個が直接法では41%もあったものがゼラチン法では27%と減少し,細胞数の多い16~21個が直接法で4件,ゼラチン法で8件,22個以上が直接法で8件,ゼラチン法で15件とほぼ倍に増加したことは剥離防止効果が示唆された.細胞の染色性も良好で,ゼラチンによる共染は認めなかった.

参考文献

1) 佐々木政臣,畠山勅男,肥塚卓三,他:尿沈渣における各種異型細胞.medical technology 9:545-548,1981
2) 佐竹立成:泌尿器の細胞診,武藤化学株式会社,pp80-88,1994
3) 仁平博子:標本作製法の標準化―尿の検体処理.日臨細胞誌 32:162,1993
4) 大崎博之,中村宗夫,長町健一,他:尿細胞診の検体処理方法の検討.日臨細胞誌 44:215-218,2005
5) 小椋聖子,清水恵子,江木さつき,他:低異型度尿路上皮癌の検討―標本作製法を中心に.日臨細胞誌 45:232-237,2006
6) 池本理恵,野上美和子,古河朋美,他:尿細胞診におけるLiquid Base Cytology(LBC)の有用性.日臨細胞学会九州連合会雑誌 37:103-107,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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