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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻11号

2007年11月発行

文献概要

海外文献紹介

肝臓癌患者におけるビタミンB群欠乏および抗酸化状態の低下

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.1243 - P.1243

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 本研究では,腫瘍-節転移状態の異なる肝臓癌における酸化ストレスおよびビタミンB群の状態について検討した.患者は2グループ(Ⅰ+Ⅱstage,Ⅲ+Ⅳstage)に分け,酸化状態を評価するために,酸化脂質,α-トコフェロール,β-カロチン,ビタミンC,グルタチオンおよび抗酸化酵素の血漿レベルを測定した.また,血液ビタミンB群と血清グレリンを測定し,両者の関係についても評価した.Ⅲ+Ⅳstage患者では,Ⅰ+Ⅱstage患者および健常者よりもグレリンが低く,コレステロール,中性脂肪および尿酸が高かった.肝臓癌患者では,血漿酸化脂質レベルは健常者よりも高く,グルタチオンペルオキシダーゼ,スーパーオキシドジスムターゼおよびカタラーゼ活性は減少していたが,キサンチンオキシダーゼ活性は増加していた.血漿グルタチオンおよびビタミンCや赤血球中のビタミンB2およびB6のレベルは著しく低かった.得られたデータは肝臓癌患者がビタミンB群補充を必要とすることを示していた.また,血漿グルタチオンレベルは肝臓癌患者の酸化状態を評価するための適当な生物マーカーと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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