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特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 2.解析技術 A.検査前技術
2) 検体前処理・核酸抽出法
著者: 宮地勇人1
所属機関: 1東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学
ページ範囲:P.1293 - P.1298
文献購入ページに移動はじめに
今日,遺伝子検査は感染症,癌,遺伝性疾患の診断において広く用いられている.診断に意義ある遺伝子の塩基配列を標的として検出する遺伝子検査において,測定前フェーズの工程である検体の前処理と核酸抽出は,様々な要因により測定自体(標的の検出)に大きく影響する1,2).ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)法は,高い増幅効率を持つ酵素反応を原理とすることから,増幅産物(アンプリコン)の汚染による検査の偽陽性や増幅阻害因子による偽陰性など,検体前処理に起因する精度管理上の課題がある3).RNA解析ではリボヌクレアーゼ(RNase)によるRNA劣化が測定結果に大きく影響する4).このため遺伝子検査の精度と正確性を確保するうえで,検体の前処理と核酸抽出を適切に行うことが極めて重要となる.本稿では遺伝子検査のための検体前処理および核酸抽出における原理と方法について述べる.
今日,遺伝子検査は感染症,癌,遺伝性疾患の診断において広く用いられている.診断に意義ある遺伝子の塩基配列を標的として検出する遺伝子検査において,測定前フェーズの工程である検体の前処理と核酸抽出は,様々な要因により測定自体(標的の検出)に大きく影響する1,2).ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)法は,高い増幅効率を持つ酵素反応を原理とすることから,増幅産物(アンプリコン)の汚染による検査の偽陽性や増幅阻害因子による偽陰性など,検体前処理に起因する精度管理上の課題がある3).RNA解析ではリボヌクレアーゼ(RNase)によるRNA劣化が測定結果に大きく影響する4).このため遺伝子検査の精度と正確性を確保するうえで,検体の前処理と核酸抽出を適切に行うことが極めて重要となる.本稿では遺伝子検査のための検体前処理および核酸抽出における原理と方法について述べる.
参考文献
1) 宮地勇人:遺伝子検査のプレアナリシス.日本自動化学会会誌 28:157-163,2003
2) 増川敦子,宮地勇人:核酸検査における前処理・核酸抽出―感染症遺伝子検査を中心に.検査と技術 30:930-934,2002
3) 宮地勇人:遺伝子検査における精度管理.検査と技術 30:1156-1160,2002
4) 宮地勇人,増川敦子,浅井さとみ:DNA,RNA抽出法と取り扱い上の注意点.臨床病理レビュー 128:139-148,2004
5) Greenfield L, White TJ:Sample preparation methods. In:Diagnostic Molecular Microbiology:Principles and applications(Persing DH, et al eds), American Society for Microbiology, Washington DC, pp122-137, 1993
6) 日本臨床検査自動化学会遺伝子検査技術委員会編:遺伝子検査マニュアル.日本臨床検査自動化学会会誌 29(Suppl 2):20-25,2004
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