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特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 2.解析技術 B.検査技術 a.核酸レベル
1) PCRと塩基配列決定
著者: 福地邦彦1
所属機関: 1昭和大学医学部臨床病理学
ページ範囲:P.1299 - P.1304
文献購入ページに移動はじめに
遺伝子検査の目的は,疾患の責任遺伝子の検出である.疾患責任遺伝子には,外来微生物ゲノムや本来正常機能を果たしている遺伝子の異常が含まれる.その検出対象には,病原微生物のゲノム核酸,ヒトゲノム上にコードされる遺伝子内の欠失,組換え,増幅,あるいは一塩基置換などが挙げられる.現在,これらの遺伝子の検出法には,その対象に応じて,核酸の相補性を利用したハイブリダイゼーション法と,検出目的の塩基配列を増幅して存在証明を行うPCR(polymerase chain reaction)およびPCR以外の遺伝子増幅法の二種類がある.
本稿では,遺伝子増幅法のうち,PCRとその応用について,得られた結果を解釈するうえで理解しておく必要のある各操作段階の原理,基本的な手法とその変法,そして結果に影響を及ぼす注意点を記載する.実験の具体的な進め方,機器そしてバッファー作製法については,他の多くの実験書を参考されたい.
遺伝子検査の目的は,疾患の責任遺伝子の検出である.疾患責任遺伝子には,外来微生物ゲノムや本来正常機能を果たしている遺伝子の異常が含まれる.その検出対象には,病原微生物のゲノム核酸,ヒトゲノム上にコードされる遺伝子内の欠失,組換え,増幅,あるいは一塩基置換などが挙げられる.現在,これらの遺伝子の検出法には,その対象に応じて,核酸の相補性を利用したハイブリダイゼーション法と,検出目的の塩基配列を増幅して存在証明を行うPCR(polymerase chain reaction)およびPCR以外の遺伝子増幅法の二種類がある.
本稿では,遺伝子増幅法のうち,PCRとその応用について,得られた結果を解釈するうえで理解しておく必要のある各操作段階の原理,基本的な手法とその変法,そして結果に影響を及ぼす注意点を記載する.実験の具体的な進め方,機器そしてバッファー作製法については,他の多くの実験書を参考されたい.
参考文献
via a polymerase-catalyzed chain reaction. Methods Enzymol 155:335-350, 1987
2) Orita M, Suzuki Y, Sekiya T, et al:Rapid and sensitive detection of point mutations and DNA polymorphisms using the polymerase chain reaction. Genomics 5:874-879, 1989
3) Clark JM:Novel non-templated nucleotide addition reactions catalyzed by procaryotic and eucaryotic DNA polymerases. Nucl Acids Res 16:9677-9686, 1988
4) Wong ML, Medrano JF:Real-time PCR for mRNA quantitation. Biotechniques 39:75-85, 2005
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