文献詳細
文献概要
特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 2.解析技術 B.検査技術 c.染色体・ゲノムレベル
1) 染色体検査
著者: 松田和之1 日高惠以子1
所属機関: 1信州大学医学部付属病院臨床検査部
ページ範囲:P.1319 - P.1325
文献購入ページに移動染色体は細胞周期の分裂期に,光学顕微鏡によりこん棒状に観察することができるDNAと蛋白質の複合体で,塩基性色素に染まる.ヒト体細胞の染色体は46本で,22対の常染色体(1番から22番染色体)と2個の性染色体(X,Y)からなっている.遺伝情報単位であるゲノムは,配偶子に含まれる23本の染色体のセット(ハプロイド)を指し,そこには3×109(30億)塩基対のDNA,約3万個の遺伝子が存在している.ヒトゲノムは直線上に伸ばすと約1mにもなり,分裂期の染色体では約1万倍も凝縮されて存在している.
ヒト染色体は,その形態と大きさからA群(1~3番),B群(4,5番),C群(6~12番,X),D群(13~15番),E群(16~18番),F群(19,20番),G群(21,22番,Y)の7グループに識別することが可能で,着糸点の位置から中部着糸型(1,3,16,19,20番),次中部着糸型(2,4~12,17,18,X),端部着糸型(13~15,21,22,Y)の3つのタイプに分類される.さらに,染色体を垂直方向に縞模様に染め分ける分染法を施すことにより,その特徴的なバンドパターンから個々の染色体を同定することができる.
参考文献
掲載誌情報