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特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 3.遺伝子診断の実際
8) 酵素異常症―(LDサブユニット欠損症,コリンエステラーゼ変異)
著者: 前川真人1
所属機関: 1浜松医科大学医学部 臨床検査医学
ページ範囲:P.1444 - P.1448
文献購入ページに移動臨床検査に強くリンクした酵素異常症として,今回依頼のあった乳酸デヒドロゲナーゼ(lactate dehydrogenase;LD)とコリンエステラーゼ(cholinesterase;ChE)の遺伝性変異について記述する.いずれも,遺伝性変異がその項目の臨床検査データに大きな影響を及ぼすとともに,生理活性の異常が症状を生み出す.他の血清酵素も同様に遺伝性変異によって活性の増減が認められる.このような血清酵素異常症は,原因として遺伝性(一次性)のものだけでなく,獲得性(二次性)との鑑別が必要となる1).酵素によっては,この鑑別のためには遺伝子解析を行わなければわからないこともある.しかしながら,家族検索ができるのであれば,それによって遺伝性かどうかは判明することも多い.
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