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特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 3.遺伝子診断の実際
12) 感染症 (4)サイトメガロウイルス(CMV)
著者: 豊川真弘1 西功1 浅利誠志2
所属機関: 1大阪大学医学部附属病院臨床検査部 2大阪大学医学部附属病院感染制御部
ページ範囲:P.1482 - P.1487
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CMVが臨床的に問題となるのは,主に胎内感染による先天性巨細胞封入体症,輸血や臓器移植などによる医原的感染症および免疫抑制状態下の患者における日和見感染症である.特に移植後の易感染患者においては,体内に潜伏するCMVが再活性化して内因性感染(回帰発症)が起こり,間質性肺炎,肝炎,腸炎など様々な病状を呈し,しばしば致死的経過をたどる.
近年,ガンシクロビル,ホスカルネットなどの有効な抗ウイルス薬の開発に伴い,CMV感染症の標的治療が可能となった.これらの薬剤を早期適正治療に役立てるためにはCMV感染症を正確かつ迅速に診断する必要があり,核酸増幅検査はこの目的にかなう検査法として有望視されている.
本項では,現在,検討・評価が進められている定量PCR(polymerase chain reaction)法を中心に,CMV核酸増幅検査の現状について概説する.
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