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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻12号

2007年11月発行

文献概要

特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 3.遺伝子診断の実際

12) 感染症 (8)結核菌および非結核性抗酸菌

著者: 前田伸司1 小林和夫2

所属機関: 1(財)結核予防会結核研究所抗酸菌レファレンスセンター結核菌情報科 2国立感染症研究所免疫部

ページ範囲:P.1507 - P.1510

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はじめに

 世界では約20億人(人類の1/3)が結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に既感染(ほとんどは無症候性潜在性結核菌感染),毎年880万人(罹患率人口10万対:140)が結核を発病,200万人が死亡している.日本(2005)1)では年間2.8万人(罹患率:22.2)が結核を発病,2,300人(死亡率:1.8)が死亡し,結核は単一病原体感染症として,人類に甚大な健康被害を与えている(表1).英国および米国の罹患率は,それぞれ12,4.9であり,日本の罹患率はその約2~5倍で,日本はいまだに中蔓延国である.薬剤耐性結核(特に多剤耐性や超多剤耐性)やヒト免疫不全ウイルスと結核の重複感染は世界に共通な結核増加要因である.すなわち,国内外を問わず,発生動向から結核対策は重要な課題である.

参考文献

1) 財団法人結核予防会:結核の統計2006 資料,pp1-12,2006
2) 日本結核病学会抗酸菌検査法検討委員会編:新結核菌検査指針2000,財団法人結核予防会,pp1-12,2000
3) 日本結核病学会予防・治療合同委員会:核酸増幅法による結核菌検査の臨床での利用について.結核 70:711-712,1995
TB-2Gの基礎的検討.結核 79:725-735,2004
5) 納富継宣:LAMP法が拓く新しい遺伝子検査.日本臨牀 65:957-961,2007
BCG. J Clin Microbiol 35:566-569, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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