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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻12号

2007年11月発行

文献概要

特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 3.遺伝子診断の実際 コラム

プリオン

著者: 小野寺節1 杉浦勝明2

所属機関: 1東京大学大学院農学生命科学研究科 2農林水産消費安全技術センター

ページ範囲:P.1532 - P.1532

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 ヒトPrP遺伝子には点突然変異や挿入変異の存在が報告されており,変異PrP遺伝子から偶発的に異常プリオン蛋白質が産生されると考えられている.11の点突然変異と7種の挿入変異(Pro-Gly反復部における基本単位の繰り返し数が異なる)が遺伝性プリオン病で同定されている.うち5つの変異は病気との関連性が証明されている.

 11の点変異のうち,10個は3か所のαへリックス領域内かその近傍に位置している.つまり,正常プリオン蛋白質の安定構造に必要な疎水性の領域の周囲に位置している(図1).この正常プリオン蛋白質の立体モデルは,αへリックスの最適空間配置により作製された.おそらくPrP遺伝子の変異は,正常プリオン蛋白質の立体構造を不安定にする.その結果,最終的には異常プリオン蛋白質が形成されると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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