icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻12号

2007年11月発行

文献概要

特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 4.遺伝子分析―リスクファクターの推定

7) メタボリックシンドローム (2)高血圧

著者: 中山智祥1

所属機関: 1日本大学医学部先端医学系分子診断学分野

ページ範囲:P.1585 - P.1590

文献購入ページに移動
多因子遺伝性疾患としてのメタボリックシンドロームおよび高血圧症

 生活習慣病は環境要因と遺伝要因とが関係しており多因子遺伝性疾患と捉えられ,疾患になりやすいか(疾患感受性)否か(疾患抵抗性),という遺伝要因(遺伝子の個人差)が関係していると思われる.代表的な生活習慣病であるメタボリックシンドロームは内臓脂肪から分泌されるアディポカインが病態の根源にあり,派生して起こる高血圧も同シンドロームの診断基準に含まれている.それとは別に本態性高血圧症には独自の診断基準がある.

 現在でも明らかな本態性高血圧症の原因遺伝子は見つかっておらず,遺伝子検査で決定的なものはない1).本稿ではまず原因が明らかになっている遺伝性高血圧症を取り上げ,次に本態性高血圧症の感受性遺伝子検索法とその成果,実際の遺伝子検査に向けて課題と展望を述べる.

参考文献

1) 中山智祥:生活習慣病と遺伝子.ここまでわかってきた「最新の生活習慣病と対策のすべて」―診断からフォローアップまで(山門實編),ライフサイエンスセンター,pp366-370,2006
2) 田原康玄,三木哲郎:生活習慣病の遺伝学的検査(genetic testing)と遺伝子検査(gene-based testing)遺伝子診断高血圧.日本臨牀(別冊),290-294,2005
3) Kamide K, Yang J, Kokubo Y, et al:A novel missense mutation, F826Y, in the mineralocorticoid receptor gene in Japanese hypertensives:its implications for clinical phenotypes. Hypertens Res 28:703-709, 2005
4) Kamide K, Kokubo Y, Hanada H, et al:Genetic variations of HSD11B2 in hypertensive patients and in the general population, six rare missense/frameshift mutations. Hypertens Res 29:243-252, 2006
5) 中山智祥:分子レベルの最新疾患研究17.高血圧症感受性遺伝子決定への戦略.実験医学 22:92-98,2004
6) 柳内和幸,加藤規弘:高血圧関連遺伝子.臨床検査 48:1461-1465,2004
7) 杉本研,勝谷友宏,荻原俊男:遺伝子からみた高血圧の治療.臨床検査 46:26-30,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?